FSSC22000の取得企業数と取得している日本企業の確認方法
「FSSC22000を取得している企業を知りたい」とお考えではないでしょうか?
近年、テレビやインターネットなどで食品事故や事件に関するニュースが流れることもあり、食品の安全を確保している企業に商品製造の依頼を検討する企業も増えています。
しかし、FSSC22000を取得している企業をどのようにして確認できるのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、FSSC22000の取得企業数と取得している日本企業の確認方法を紹介いたします。
FSSC22000の取得企業数
2024年3月7日現在、世界全体でFSSC2200を取得している企業数は「34,424件」、FSSC22000-Qualityは「74件」です。日本国内ではFSSC2200取得企業が「3,297件」、FSSC22000-Qualityは「0件」です。
2023年12月7日時点では、FSSC2200の取得企業数が全世界で「33,931件」、日本は「3,270件」だったため、取得企業が増加していることがわかります。
FSSC22000とFSSC22000-Qualityの違い
FSSC22000は品質ではなく、「食品安全に特化した規格」です。一方、FSSC22000-Qualityは「品質も目指したい」という企業が取得する認証スキームです。FSSC22000認証要求事項に任意として追加されたもので、ISO9001:2015(品質マネジメントシステム)の要求事項で補完しています。 ただし、FSSC22000-Qualityを取得するよりも、FSSC22000とISO9001の統合マネジメントシステムの認証を取得するのが一般的です。
FSSC22000を取得している日本企業の確認方法
FSSC22000の公式サイト内にある「Public Register」のページへアクセスします。
Schemeの「FSSC2200」とCertificate
statusの「Valid」にチェックを入れます。Countryに「Japan」を選択した状態で、Searchをクリックすると、日本企業一覧が確認できます。
Certificate statusが資格の有効状況を表す項目です。「Valid」が有効、「Suspended」が一時停止という意味です。Certificate
statusを選択せずに検索すると、「Suspended」も含まれて表示されるため、忘れずに「Valid」にチェックを入れてください。
取得企業一覧をダウンロードできるが、エクセルで絞り込みは必要
「Export all」からFSSC22000の取得企業情報をダウンロードできます。しかし、サイト上で絞り込んだ状態でダウンロードしても、全世界の企業情報のエクセルファイルがダウンロードされます。そのため、日本企業を確認したい場合は、エクセル上で絞り込みをしなければなりません。
ダウンロードしたエクセルファイルを開き、「編集を有効」をクリック後、全セル選択状態で、データタブにある「フィルター」をクリックしてください。その後、F列の「Country」で「Japan」に絞り込むことで、日本企業のみを表示することができます。I列の「Status」を「Valid」のみにすれば、完了です。その後の絞り込みについて、都道府県や地域で探している方はC〜E列の「Zipcode」「City」「State」のいずれかで絞り込みをすると良いでしょう。
FSSC22000の取得企業数
ここでは、FSSC22000を取得している日本企業を一部紹介いたします。
株式会社コムズライヴリ
株式会社コムズライヴリは、高粘度の液体(液糖・オイル類)の充填加工、OEM製造を得意とする大阪の企業です。2022年11月25日にFSSC22000を取得しています。さらに、外部の衛生管理業者とコンサルティング契約を結び、防菌・防虫・防鼠など衛生管理に関わる業務の代行から、衛生教育・実地指導なども受け、衛生管理活動を継続的に維持・向上する取り組みを行っています。
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キッコーマン株式会社
キッコーマン株式会社は、国内外にあるほとんどの生産拠点にてFSSC22000を取得しています。その他にも、SQF2000レベル2、ISO22000、ISO9001、HACCPなどの国際的な品質管理システムを取得しています。
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キユーピー株式会社
キユーピー株式会社は、グループの国内外の全ての生産拠点にてFSSC22000を取得しています。また、毎年第三者機関から審査を受け、食品安全の向上に対する取り組みを行っています。
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森永乳業株式会社
森永乳業株式会社は、関連会社の工場を含む国内すべての生産拠点にてFSSC22000を取得しています。社内教育が充実しており、入社3年目までの社員は品質に関する様々な研修を受けることを必須としています。
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株式会社トワード
森株式会社トワードは、西日本初となる物流カテゴリでのFSSC22000を取得した企業です。多温度帯同時物流を導入したことで、食品の温度や鮮度の管理を適切に実施しています。
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明治チューインガム株式会社
明治チューインガム株式会社は、明治グループ初となるFSSC22000を取得した企業です。「顧客に安心を提供」「安全な製品を生産する仕組み作り」「食品安全活動の仕組みの意義を将来に伝える」を目的に2011年6月に取得しています。
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富士山の銘水株式会社
富士山の銘水株式会社は、宅配水(ウォーターサーバー)専業メーカー業界初となるFSSC22000を取得した企業です。独自の自主基準を設けて、徹底した品質管理を行っています。
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ハナマルキ株式会社
ハナマルキ株式会社は、長野県に本社を構える味噌製造メーカーです。伊那工場とハナマルキタイ工場でFSSC22000を取得しています。
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まとめ
近年、予期せぬ食品事故や事件が話題になることも多く、食品の安全性を向上させるためにも、FSSC22000の取得をする企業が増加傾向にあります。食品を取り扱う企業であれば、管理体制の改善や事故事件の発生リスクを減らすためにもFSSC22000の取得を目指すのが良いでしょう。FSSC22000を取得している企業は、一定水準以上の食品管理や品質管理能力があるという信頼が担保されます。
また、自社の製造工場を所有しない経営方式(ファブレス経営)を選択している企業にとって、FSSC22000の認証取得を明示している製造工場とタッグを組むことは大きなメリットになります。
最終消費者に製品が届いた際のトラブルの発生を未然に防ぐためにも、FSSC22000の認証を取得している工場への依頼がおすすめです。FSSC22000取得企業をお探しでしたら、FSSC22000の公式サイトから探してみるのも良いでしょう。